【アホな子ほど正義を選択する】

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日本のミニカーの代名詞ともなっているトミカの創業は、1970年。その歴史の中で一番売れた車種は、いったい何だろう?
歴代ランキングは下記の通りである。

1:日野はしご消防車 271万台
2:古河ホイールローダー 207万台
3:コマツブルドーザー 197万台
4:トヨタ2000GT 160万台
5:ポケモンバス 151万台

子供達の選択するブランドは、トヨタや日産ではない。日野やコマツなのである。歴代上位は、全部「働くクルマ」なのだ。

トヨタや日産ののっぺらぼうな乗用車を選ばずに、ひとつひとつに特徴のあるクルマを選択してきているのである。一目でわかるユニークな形を子供達は望み、ミニカーを通じて大人達が働く姿に思いをはせている。

子供の無意識のコモンセンスは、デコボコを選択する。走るではなく働くことに期待する。かっこいいではなく面白い方を選ぶ。理屈抜き&仮説なし=前提のない選択には、正義がある。

私達は、そんな大事なことを身体で知っていながらも・・・社会やテレビから流れてくる前提に絡め取られていく。そして、トミカの「働くクルマ」で遊んだ子供達は、、、いつしか、安定した職業を望み、、、同じようにエコを唱え、、、プリウスに乗り、、、24時間テレビに感動する。少し悲しい結末である・・・。

こんな有名ジョークがある。
アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態ではボールペンで文字を書くことができないのを発見した。これではボールペンを持って行っても役に立たない!
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!
一方、ソ連は鉛筆を使った。

前提に縛られるか。それとも、最初から前提なしの状態で物事に取り組むか。その姿勢ひとつで獲得できる成果は変わる。凄いアイデアマンや企画の人間は、その問題に取り組むときの前提の捉え方が違う。むしろ前提すらないところから始める・・・。子供の頃に、トミカの日野はしご消防車を選択したような無垢な視点で・・・。そして、そのビジネスの結果は、社会正義となる。

アホな子ほど正義を選択するセンスがある。そして、親はそんな『アホな子ほどかわいい』のである。前提に縛られた仮説ごっこがマーケティングやプランであった結果が、いまの閉塞した時代を招いている。

こういう時代だからこそ、マーケッターやプランナーは、『アホな子ほどかわいい』説を体現するべきである。トヨタやホンダや日産の戦略を賢い頭で分析する前に・・・日野のはしご消防車や古河のホイールローダーで遊んだ前提に縛られない柔軟な頭を取り戻すべきである。みんな正義を選択できるアホな子供であったのだ。鉛筆をナメナメお絵かきしていたクソガキだったのである。

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